ZSORT
IBM z15サーバーで利用可能な新しいソート・アクセラレーター
ZSORTについて
DFSORTの新機能として、IBM z15サーバーで利用可能な新しいソート・アクセラレーター(ZSORT)をサポートすることが発表されました。
Syncsort MFXも同様に、ZSORTをサポートしています。
ZSORTの基本要件の1つとして、十分な仮想ストレージ、実ストレージ、および補助ストレージが必要です。
メモリ量が制限された環境では、最適なパフォーマンスを得られなかったり、ZSORTを利用できない可能性があります。
ZSORTを利用することで、CPU時間と経過時間を削減します。
DFSORTとZSORTの関係性
パフォーマンス改善例として、DFSORTでZSORTを使用し、z14からz15に移行することで、レコード長が最大500バイトのデータセットでCPU時間を最大40%、経過時間を最大30%削減できることが報告されています。
ただし、DFSORTではすべてのソート処理にZSORTが適用されるわけではありません。
以下のソート処理では、ZSORTを無効化します。
- OPTION COPY または SORT FIELDS=COPY が指定されている
- 機能:INREC、JOINKEY、MERGE FIELDS、MODS(EXITS)、OUTREC、OUTFIL、SUM FIELDS
- プログラム呼び出しソート
- サポートされていないソートフィールド(Unicode, Locale, ALTSEQなど)
- ファイルサイズが不明、またはファイルサイズが0
- SIZE/FILSZ=Uxxxxxx が指定されている
- SORTIN/SORTOUT が VSAM クラスター
- ソート制御フィールドの位置が4092を超えており、VLSHRT が指定されている
- EXCP アクセス方式
- ソートキーが4088バイトを超える、またはEQUALSが指定されている場合に4080バイトを超える
- 可変レコードで、レコード長が24以下
- ソートワークスペースが不十分
Syncsort MFXとZSORTの関係性
ZSORTを使用しない Syncsort MFX と ZSORTを使用する Syncsort MFX では、ベンチマークテストの結果、CPU時間 平均26%、経過時間 平均19%削減ができることが報告されています。
ZSORTのパフォーマンスは、以下の条件で最適化されます。
- レコード長が512バイトより小さい ( レコード長が大きいほど、パフォーマンスの向上が少なくなります。)
- 入力ファイルサイズが2GBより大きい (ファイルが大きいほど、パフォーマンスが向上します。)
- ソートキーが244バイトより小さい、および、ソートキーがレコード長の75%より小さい。
ただし、以下のソート処理ではパフォーマンスの利点を得られないため、ZSORTを無効化します。
- 機能: SUM FIELDS、MAXSORT、COPY、MERGE、JOIN、EXITS、DB2 Query、STOPAFT、SKIPREC、INCLUDE/OMIT
- レコード長が512バイトより大きい
- ファイルサイズが100Mより小さい
- ZPCOMPRESS を SORTIN とともに使用する
- ZPSaver を使用し、ファイル サイズが2GBより小さい
一方、Syncsort MFX+ZPSaverのzIIPオフロード機能は、ZSORTを利用するより大幅なCPU時間を削減することが可能です。
Syncsort MFX+ZPSaverでは、以下の処理をzIIPにオフロードします。
- SORT EXIT E15,E35を使用していないソート処理、コピー処理に関連するCPU時間
- SMSバージョン1圧縮に関連するCPU時間
DFSORTとSyncsort MFX+ZPSaverを比較すると、CPU時間 最大99%、経過時間 最大40%の削減ができます。
これは、ZSORTの利用有無に限らず、ソート処理の中で最も優れた効果を得ることができます。